澄んだ空の下で
今更、仲良くなんて無理。
“サエコとはもう友達出来ない”
最後にあたしがサエコに言った言葉。
ほんとに、それがあたしの内心だから。
簡単に寝取った彼の事を、“借りた”と言ったサエコの皮肉な言葉を今でも忘れられない。
いや、忘れたくても忘れないものになってる。
なのに、また友達って、無理でしょ?
「…-――おいっ、」
暫くして暗闇に響く声とともに掴まれた腕にドクンと心臓が高鳴った。
その所為で足を止めてしまったあたしは、掴まれた腕から視線を上げる。
「…あ、」
目の前に居る恭は少し眉間に皺を寄せ、あたしの顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「…なんでもない」
そう言って、視線を恭から遠ざける。
「そうには見えねーけど。大丈夫か?」
「え、大丈夫だよ」
視線を恭に戻して軽くほほ笑むあたしに、恭は掴んでたあたしの腕から肩に手を移動させた。