澄んだ空の下で
真っ暗なリビングに明かりを灯し、そのまますぐにシャワーに打たれた。
頭上から勢いよく打ち付けてくる水に目を閉じた。
こんな気持ち、他の人には分からないだろうけど、あたしにとったら一番の苦しみだった。
母はあんな感じだし、それは仕方ないって思ってた。
だけど、それを唯一楽しくさせてくれたのはサエコだった。
でも、そんなサエコはあたしを裏切ったんだ。
お互い裸で抱き合って、喘ぎながら“好きだよ”と、そう彼に囁いてた言葉が脳裏を過る。
ただのあの時だけの成り行きの言葉だったかも知れないけど、裏切られたのには変わりない。
…応援するから。って、そう言ってたのに。
だからって、今更なんなの?
恭…目当てにあたしに?
そんなのあり得ないでしょ?
お願いだから、もうあたしに係わるのやめてよ…
キュッと蛇口を閉めると、髪についている水滴を手で払う。
部屋着に着替えたあたしは倒れ込む様にベッドに横になりそのまま深く深く目を閉じた。