澄んだ空の下で

「あんまり係わってちゃ、お前がよくねぇからだ」

「なに、それ…」

「つか、お前の為に言ってやってんだから分かれよ」


少し面倒くさそうに言ったアオは息を吐き捨てる。


あたしの為にって、なに?

確かに、アオの言う事は信じた方がいいって分かる。


それなりにアオは正しい事を言ってくれるから。


でも。

だけど。


それとは別のような気がした。


恭と会わない事が、どれだけあたしを寂しくさせるんだろうと思った。

ただ、会いたいの。

会うだけでいい。


他には何もいらないから、会って話すだけでいいの。


その時間さえあれば何もいらないから。


アオと別れた後、頭の中がグチャグチャしてどうしようもなかった。

誰の言葉を信じていいのか、それさえも分からなくなってた。


教室に入って、暫くした後、ふと気付いたことがあった。

いつも明るく弾けた声がなにもない。


その事に美奈子は休みなんだと、知った。




< 145 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop