澄んだ空の下で

気になったんだろうか。

何故かスマホを取り出して確認してしまった。


何か美奈子からLINEが入って、ないのかと。


どうしてそんな行動を起こしてしまったのか分からない。

ただ、いつもなら全く感じない寂しさがあった。


美奈子が居ない時間は何だか物凄く長く感じてしまった。

初めて思うこの感情に少し戸惑ってしまう。


美奈子もこんな感じだったんだろうか。


あたしが居ない間、こんなにもの寂しかったんだろうか。


…友達って、なに?


放課後。

あたしが進めた足はいつもと違う道だった。


何でか分かんないけど、どうしてそこにたどり着こうとしたのかも分からなかった。


だけど気がつけば、美奈子のお母さんが働く喫茶店の道を歩いてた。


「…あれ?」


路地裏に入って、もう少しって所であたしの目がふと、止まる。

全然違うもっと裏の道に入って行く恭の姿を見てしまったから。


だから、目の前に見える喫茶店を通り過ぎ、気づけばあたしは恭の後を追っていた。
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