澄んだ空の下で

「やっと、来たのかよ」


不意に聞こえた声に、何気に顔を上げる。

駆け足で来たんだろうか、少し息を切らして顔を顰める恭の姿が目に移った。


「…だい、丈夫?」

「何が?」

「息…切れてる」

「走ってきたらマジでキツイ」


手に持ってた袋をあたしに差し出しながら、恭はベンチに横になる。

伸ばされた手の袋をそっと掴むと、


「紅茶」


恭はそう言って、荒れた息を整えようとする。


「あ、あぁ…ありがと」


そうだった。

忘れてた。


この為にわざわざ来てくれたの?


「また、なくなったら言えよ。やるから」


だから、なんでそんな優しい訳?

何の為に?


「あっち…開放されたんだ」

「え?」

「ほら、あっちのビル」


ゆっくり視線を向ける先は、さっきまで恭が居た真向かいのビル。

その、あたしの視線に気づいたのか、恭は身体を起した。







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