澄んだ空の下で
「だからっ!アンタなんて居なくなればいいって、そう思った。若菜が憎かった」
「…ごめん、サエコ」
何でか分かんないけど、謝ってた。
どうしてあたしが謝ってんのかも分からなく、口からはそう言葉を吐き捨てていた。
「なに、謝ってんの…」
サエコの口から冷たく吐き出される。
「あたしの所為みたいだから謝る。だけど、あんな風にレオと寝てるサエコも許せなかった」
これは正直な気持ちだった。
裸で抱き合ってる二人を目のあたりにしたから。
今でも焼きつける光景は消せない。
「じゃ、恭先輩をちょうだい」
「…え?」
予想もしなかった恭の名前がサエコの口から飛び出る。
サエコがあたしじゃなくて、恭目当てだとは何となく分かってたけど、あまりの急な出来ごとに頭がついていけなかった。
「若菜、仲いいでしょ?あたし先輩の事スキなの」
「……」
「だから今度はあたしに譲ってよ」
サエコは表情を作るのが昔から上手だった。
さっきとは打って変わって、頬を緩めるサエコは勝ち誇ったようにあたしを見つめる。