澄んだ空の下で
「そう。若菜には言っとこうと思って」
「お母さんには?」
「あー…お母さんどうしてる?相変わらずでしょ?」
「…うん」
「いいよ、別に。言っても何も変わらないし」
「でも…」
「じゃ、若菜から言っといてよ」
「なんで、あたしが…」
「まー、なんて言うの?タイミングがあれば言うよ。それよりさ、アンタ卒業後どうすんの?」
「卒業後?」
「そう。大学でも行くの?」
「まさか。そんなお金ないし」
「若菜が良かったら、こっちに来れば?どーせアンタ嫌な思いしてんでしょ?こっち来て、住む所なかったら若菜の部屋くらい一つ貸してあげるしさ」
「……」
「まー、彼に聞いてみるから――…」
「ねぇ、お姉ちゃん…」
ダラダラと話しを続けて行くお姉ちゃんの言葉を遮って、あたしは一息吐く。
勝手に出て行ったお姉ちゃんとは、それっきりだったけど、こうやって覚えてくれた事に嬉しかった。
「うん?なに?」
「お姉ちゃんは、…幸せ?」
「なにそれ?」
クスクスと笑い声が電話口から洩れる。