澄んだ空の下で
次の日の放課後、その次の日の放課後。
気づけばあたしは1週間、あのビルへは行かなかった。
行ってしまうと、恭の姿を見てしまう。
そして思い出すのはサエコの顔だった。
“じゃ、今度は身を引いてよ”
頭の中を駆け巡るその言葉。
別に付き合ってる訳でもないけど、その言葉を聞くと、なんだか切なかった。
…あたしには、きっと。
幸せなんて訪れない。
「やったぁー!若菜ちゃんとデートだっ!!」
放課後。
沈んだあたしの心に美奈子の声が響く。
「デート…って、やめてよ」
「だって、嬉しいから。若菜ちゃんと行くの。それに最近若菜ちゃん元気ないじゃん?」
「そんな事ないよ」
「そんな事あるー」
少しだけ頬を膨らませる美奈子。
だけど、すぐに表情を笑みに変えて微笑んだ。
だからそれに釣られてあたしも微笑む。
でも、上手く笑えてるのかどうかなんて分んなかった。