澄んだ空の下で

「うん。そー思っただけ」

「あのさ、一つ言わせてもらってもいい?」

「うん?なに?」


美奈子は首を傾げながらあたしに視線を送る。


「アオはあたしの事なんて好きじゃないからね。むしろ、あの子の事が好きなの。付き合ってないけどね」

「え?それ、ほんと?」

「そうだよ。昔っからね」


遠くなるアオの姿を目で追ってたあたしは、視線を前に向けて少しづつ足を進ませていく。

そんなあたしを追いかける様に美奈子は着いて来た。


「ね、ねぇ…でも女の子も好きって感じだよね。あんなにベッタリしてるんだから」

「……」

「なのに、なんで付き合わないんだろーね」

「……」

「けど、超美人だったね。若菜ちゃんといい勝負じゃない?」


あたしの腕を掴んで揺する美奈子は何故か、興奮気味で、そんな美奈子に、“あたしの所為だよ”なんて言えなかった。

あたしの所為でアオは付き合おうとしないんだよって。


もし、付き合ってしまったら、あたしに構えなくなるからだよ。って、そんな事言えなかった。


だから。


「ねぇ、美奈子ってほんとはアオが好きでしょ?」


自棄にアオの事が気になってる美奈子に、あたしは言葉を投げかける。

その言葉に大きく反応した美奈子は目の前で大きく手を振った。
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