澄んだ空の下で

“どうしよう”


と、一瞬そう思ってしまった。

別に悪い事も何もしていないのに、そう思ってしまった。


あの日。

あの、サエコと会ってからあの屋上には行っていない。


むしろ、行けなかった。


連絡先も何も分からない同士だから、別に何もなかったものの、“なんで?”と聞かれると、答えすら見つかんなかった。

だけど、それ以前にあたしは恭の隣が気になって仕方がなかった。


身を寄せ合う様に恭にへばり付く女の姿。


誰なの?と、言うまでもない。

沢山居る事くらい知ってる。


あたしの知らない所で、色んな子と遊んでるのも知ってる。


だけど、さっきみたアオとは違うこの胸騒ぎにシックリとはこなかった。


…なんで、なの?


蘇って来るのは以前見掛けた女とキスしてる姿。

あの人が今、目の前に居る女なのかもどうか、分からなくて。


誰がだれで、どの子がどの子なんて、分かんなくなってた。


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