澄んだ空の下で
何でか知んなかった。
目尻から落ちる涙が、なんの為に流れてきたのかなんて。
悲しいから?
可哀相だから?
辛そうだから?
そんなの分かんない。
分かんないけど、涙が伝った。
あたしに何が出来るかなんて分かんない。
そんなの、考えたって何も出来るはずがない。
ただ、話を聞いて頷くだけ。
でも思うのは、ただ一緒に居たいだけなんだ。
無意識にグッと顔を恭に近づけた。
目を腕で覆ってる、恭に顔を近づけ、そのまま唇を重ねる。
…ごめん、好きなんだ。
「…若菜?」
そっと離すと同時に恭の小さな声が漏れる。
恭は腕を下ろすと、ジッとあたしを見つめた。
「ご、めん…。でも恭だって、さっきしたでしょ?了解なしに」
そう言って、柔らかく笑みを作る。
いや、そうするしかなかったのかも知れない。
「それはお前がしてって言うから」
「そんなの言ってないし」
「あぁ、そうだっけ」
「うん」
「つか、なんでお前が泣いてんの?」
そっと頬に触れられた恭の指。
拭いとる様にあたしの頬に指を滑らせた。