澄んだ空の下で

「つかさ、お前いつまで突っ立ってんの?座れば?」

「あ、うん…」


その場で足を崩して座る。

恭から視線を徐々に避け、自分の手元をジッと見つめた。


「てか、お前さ、別に無理に考えなくていいから」

「え?」


ゆっくりと視線を上げる。

寝ころんだままの恭はあたしを見て、フッと鼻で笑う。


「だから。何か言わないと…とか思ってんだろ?そんな無理して考えて吐き出さなくてもいいから」

「…ごめん」

「ここさーすげぇ落ち着くんだよ。誰も来ねぇしな。だから若菜来た時、ビックリした。まさかお前とは思わなかったわ」

「ごめん、ね…」

「で、なんで来た?」


なんで来た?

あたし何しに来たんだろう…

あぁ、そうだ。もう一度、振られに来た?

って言うか、もうそんな話をする雰囲気でもない。


「なんでだろう…」

「は?」

「千沙さんと街で出会って、それでセナさんに連れてきてもらって、ここに居る…」

「は?なにそれ…」


クスクス笑う恭は今、何を考えてるんだろうと。

あたしの事、どう思ってる?


「…恭?」

「うん?」

「セナさんが言ってた。麗美さんの店にあたしを探しに来てたって、それってなんで?」

「だってお前、俺の電話拒否ってただろ?」

「だから来たの?」

「そう」

「何の為に?」

「…何のために?あー…あの女、許嫁の女がすげぇ剣幕立ててたから、それでお前、大丈夫かなって」

「……」

「まぁ、あの時、麗美さんも何も言ってこなかったし、だから家まで行く必要もねぇって思っただけ」

「そっか…」


ちょっとは期待していた自分が居た。

もしかしてそんな理由じゃなく、会いに来てくれてた事を。


そう、だよね。

うん、そうだよね…


恭があたしの事を今以上に想うはずはない。
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