僕の可愛いお姫様
綺麗な顔で綺麗に笑っていたのに、違う人みたいに、突然人格が入れ替わった人みたいに、私の知らない、とても冷たい表情の泉が、居た。

「へぇ。そう。
ねぇ、そんな物より俺の手の方があったかいよ?
だからさ、もうそんなの必要ないでしょう。」

スルリと私の掌の中から、カイロを奪って、玄関先に置いてあるゴミ箱の中にポンッとカイロを捨てる。

私を見る泉はにっこりと笑っている。
とても綺麗な、とても冷たい、作り物の様な顔で…。

ゾクリとした。
今日の泉は変だ。
絶対に私の知っている彼じゃない。
私の知っている彼であって欲しくない…。

怖かった。
どうしてここまで瑞穂に敵意を剥き出しているのか解らなかった。
いつもの泉は、こんな顔は、しないから。
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