僕の可愛いお姫様
その態勢のまま、泉は静かに話し出す。

「梅雨李が俺の事を、どういう人間だと思ってるのかは解らないけど、
俺は時々、自分の非道さに嫌悪するんだ。

梅雨李が…、ひとりぼっちになればいいと思っている。そしたら天使の顔をして近付いて、君と二人で堕ちるのに。

誰も居ない場所で、俺は梅雨李だけを愛して、守って、梅雨李もきっと、俺だけを見ていてくれる。
そうなったらずっと一生幸せでいられるのに。

そんな事を考えなから、馬鹿げた自分の思考に嫌悪するんだ。
頭のどこかできちんと解ってる。
そんな世界を梅雨李は望まない事。
二人っきりの世界では、完全には幸せにはなれない事。

解ってるのに不安でしょうがないんだよ。いつかここから、君が居なくなるんじゃないかって…怖いんだ。」

繋いでいた掌が、僅かに震えていた。
自身の罪を告白する様に、彼はゆっくりと語る。

私にとってそれは、愛の告白でしかなかった。
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