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音楽に触れないまま、さらに数週間があっという間に過ぎた。



何か、こんなあっという間に毎日が過ぎていくなんて惜しい。



でも、こんな毎日を満たすための事も見つからない。



ぼんやりと外を眺めながら、自分は何やってるんだろう・・・と心の中で呟いた。



「あ、時輪さん!ここ、美術部で使うから・・・」



「ごめんね、すぐどくよ」



あたしは愛想笑いを浮かべて、教室を出た。



向かった場所は、A棟とC棟を結ぶ渡り廊下。



そこの欄干に肘をついた。



みんな部活に入ってるのか・・・



部活なんて、入ったことないや。



家に帰ったら、ピアノの練習っていうのが待っていたから。



しばらくは、そんなのなさそうだけど。



すると、遠くのほうで運動系の部活と思われる人の声が聞こえた。



「みんなフレンドリーだよ!初心者大歓迎!バスケ部入って~!」



バスケ部って、あんな服着るんだ・・・初めて知った。



そういや、今日は部活体験だっけ?



ちょっとぶらぶらしてみるか、2年だけど。




初夏。



曇り空の隙間から、眩しい太陽が顔を覗かせていた。
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