Suger and Spice

一息



「ただいまー」


私はお母さんと二人暮らし。




うちの両親は、
私が生まれてすぐ離婚した。



原因は父親の浮気。



昔の写真をみた限り、
正直地味だったお母さんは、


浮気されたことのショックで
どんどん派手になっていった。

旦那をとられた派手な女を
見返してやるんだって言って。


男を落とすために料理は上手かったけど、
それ以外の家事はだめだから私がこなす。


おこづかいは月2万くらい貰えるし、
何時に帰ってこようと無断外泊だろうと、
何をしていようと無関心なお母さんは、
中学の時の友達からはよく羨ましがられた。


…ここまで言うと
仲の悪い親子に見られそうだけど、
ある程度は会話もするし
買い物に一緒に行ったりもするから
居心地は悪くない。



この瞬間を除いては。




玄関に置いてあるのは
ブランド物のピンヒールと
よく磨かれた革靴。


またお母さん、男連れ込んでる。




それに、この間とは違う人の。


こないだ来てたの人と、
違う香水の臭いがする。


料理上手なのは嬉しいけど、
コロコロ男を変えるのはどうよ…


冷蔵庫に入っていたプリンを持ち、
男から貢がれた金で買った、
部屋は2階建てのマンションの、
2階にある私の部屋に静かに入った。


ベッドに倒れこむとあくびがでた。


寝不足だし、ちょっと寝よう…


プリンを机の上に置いて、私は目を閉じた。



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