Suger and Spice
ヤキモチ…はなかった。
加藤にリカちゃんのことを話してから
今日で1週間。
あの日から、
加藤は私に一言も話しかけてこない。
あの毎日のように
話しかけられていた日々は、
なんだったんだろうか…
「星夏帰ろー」
「んー」
昇降口に行くと、
B組の下駄箱に人がいた。
リカちゃんと加藤。
私は美風に引っ張られ、
下駄箱の裏に隠れさせられた。
「ちょ、みか「しっ!」
そーっと覗きこむ美風。
「拓斗くんあのね、
リカの家の近くに
シフォンケーキがすっごく美味しい
可愛いカフェがあってね、」
「…。」
「ほんとに美味しいから
ぜひ拓斗くんにも食べてもらいたいなぁ
って思っててね、」
「…」
去っていく二人。
と私の顔を見ながら
ニヤニヤしてくる美風。
「星夏さん、今の気持ちをどうぞ!」
…また?んー…
「リカちゃん声たっかいな」
「あとはー?」
「加藤無愛想だな」
「あとは?」
「リカちゃんって
自分のこと名前で呼ぶんだな」
「…あとは?」
「えーもうない」
「…あっきれた」
はぁーっとわざとらしく
ため息をつく美風。
「ほんと星夏ってダメだよね!」
「な、なにが…」
「んーもう何でもないっ!
仕方ないか、
ゆっくり気づけばいいよ!」
なぜか頭をなでられている私。
何この状況。