《続》俺様ホストに愛されて
許せないって……。
太一のことが⁉
そりゃ最低な奴だったことに変わりはないし、あたしだって許せないけど。
それとも、偶然でもあたしが太一と出会ったことが許せない……とか?
そんなの不可抗力だし……。
近くに住んでる以上、会わない確率の方が少ないもんね。
「ひゃあ」
考え込んでいるあたしの目の前に、リュウの顔がいきなり近付いて来て反射的に後ずさった。
「今あいつのこと考えてただろ?」
「えっ⁉」
考えてたっていうか、そう言われたら嫌でも頭の中に浮かんで来る。
「考えんなよ、あいつのことなんて。お前の中にあいつの存在が少しでもあることが許せねぇ」
不機嫌な口調にも関わらず、リュウは本音をどんどん零して行く。
あたしの中にはもう太一の存在なんてないのに。
「俺が嫉妬深いって知ってるよな?頭ん中も胸ん中も全部が俺だけじゃないと許せねぇ」