―君ノ隣―
行き着いた先は東校舎の屋上だった。
太陽がジリジリと照りつける。
扉を閉めて美羅さんを見ると私をじっと見て立っていた。
「雪奈ちゃん。智樹と別れてよ。」
「なに言ってるの…?やだよ。
別れないもん!!なんでそんなこと言うの?」
「あたしは…ずっと智樹が好きだった!
忘れようとしても忘れられなかった!」
「美羅さん…。」
「智樹以上に好きになれる人なんかいないの!!!
あたしは智樹が好き。言いたいことはそれだけ。」
そう言って美羅さんは屋上から出ていった。
私もあとを追いかけ、何事もなかったように二人で教室に戻った。
「そういえば智樹…。」
智くんと美羅さんは楽しそうに話し始めた。
私も話したい。だけど割り込めない。
その日美羅さんは智くんと積極的に話していて私の入る隙間なんてなかった。