―君ノ隣―

政希side


あんなに泣いてる亜由加を見たの久しぶりだな。

もう大丈夫とは言ったもののほんとは大丈夫じゃないんだろな。


「智樹ー。開けてー。」


「はいはい。」


「ただいまー。」


「おかえり。亜由加は大丈夫だった?」


「たぶんもう大丈夫。」


「そっか…。」



智樹はベランダに出て外をぼーっと眺めた。

あいつも辛いんだろうな。

ベランダに出ると目の前には海が広がっていて潮風が吹き波音が聞こえた。



「はぁ…。」


「お兄さん。この星空の下でため息は似合わないよ?」


「誰だよ。」


「ひでぇ!!ってまじめに!幸せ減るぞ?」


「もう減ってる気がするけどな…。
雪は俺と居て幸せなのかな…。」


「なに言ってんだよ…雪奈は幸せだと思うよ?」


「俺なんかより神悟と居たほうが幸せなのかな…。」


「智樹…。」


「わるい…もう寝るわ。」


切なそうにそう言うと部屋に入りベットに潜った。

俺はしばらく海を眺めていた。どうしたものか。

早く仲直りしたほうがいいと思うんだよな。

それに俺から見れば雪奈と智樹は本当に幸せそうに見えるよ。

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