SAKURA【短編】
私は木に近づくと目を閉じ


そっとその桜の幹に手を添える


間違いないと思った


間違いなく彼なんだと思った


私は木の幹に口づけた


桜の花をつけた枝が微かに揺れる


私は木に背中を押し付け、もたれるようにして


その場に座った


そして


一人涙を溢した




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