お風呂上がりの望遠鏡
 
目が覚めると真っ先に押領司クンの部屋を覗いた。

押領司クンはもう起きている。
そして、傍らには思った通り、加奈ちゃんがいた。

やっぱり、泊まったんだ。

押領司クン、危険だよ。
誘拐犯にされちゃうよ。


大きな黒いTシャツを着た加奈ちゃんが愛らしい表情を見せる。
なんだか胸の奥がチリっと痛い。

そろそろ、押領司クンは仕事に行く時間だ。
それなのに押領司クンに動く気配はなかった。

もしかして、休むつもりなの?
 

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