お風呂上がりの望遠鏡
 
「それじゃ、パーティの買い物に出掛けますか」

私に難題を丸投げして安心したのか、押領司クンったら急にテンションが上がった。

「ダメでしょ。仕事サボった人がフラフラ出歩いちゃ。私にまかせといて」

間に入ってくるように、加奈ちゃんが押領司クンのTシャツを引っ張った。

「加奈ちゃんも誕生日なの」

「ええっ?」

私と押領司クンは顔を見合わせ、加奈ちゃんをのぞきこんだ。

「ウソでしょ。みんな誕生日じゃないの」
「よっしゃ。もう、こうなりゃ、みんなの誕生会だ」
 
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