お風呂上がりの望遠鏡
買い出しの途中、家に立ち寄った。
シャワーを浴び、ジーンズに着替えると、ふと妙な考えが頭をよぎった。
私は窓を開け、部屋の真ん中にテディベアを置いた。
そして、明かりをつけたまま、部屋を後にした。
押領司クンの部屋に戻ると見違えるほど綺麗に片付いていた。
二人で片付けている様子を想像すると、胸の奥が再びチリっと傷んだ。
加奈ちゃんに買ってきた着替えを渡し、シャワーを浴びさせた。
その間に真ん丸で足の短いテーブルに料理をならべていく。
誰かの家でパーティなんて、何年ぶりだろう。
大問題を抱えながらも、なぜかウキウキしていた。
みんながテーブルにつくと、押領司クンは軽く咳払いをした。
そして、秘密を暴露するように三人の干支が同じ「巳年」だと私に打ち明けた。