S彼
「タクちゃんも茜のこと連れて行きたいって言ってるし、身の回りのお世話してあげなさいよ」


「…いいの?」


「あんたたち、いずれは結婚するんでしょ?生まれた時から一緒だし、きっとそういう運命なのよ」


「…え?結婚なんて…」


そんなのまだわかんないよ…。なのにお母さんときたら勝手に決め付けてる…。


「ま、男前なタクちゃんならお母さんも言うことないし、お隣さんで家族ともども仲がいいから両家のお付き合いもスムーズでいいじゃない」


確かにそうだけど…。


タクは、私のことなんかお嫁さんに選んでくれないかもしれないよ?


私はタクについて行くだけで精一杯で、いっちゃんにもいいなりだって言われてるのに。


母親の反応に、逆に私が戸惑ってしまった。


するとそこへ。


「こんにちは」


聞きなれた声がして振り向くと、いつの間にかタクが家に上がってきていて、私とお母さんが居る台所の入り口に立っていた。
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