S彼


「あら、タクちゃん!こんにちは。今タクちゃんの噂をしてたところよ?」


お母さんがタクの顔を見るなり満面の笑みを浮かべた。


「茜のこと、どうぞよろしくね。ちょっとドンくさい子だけど、家事はちゃんと出来る様に育てたから」


「あ。はい。こちらこそ連れて行くことになってすみません…」


「いいのよ。茜にももっと色んな世界を見せてあげたかったから、都会に一度出てみるのもいいかなって思ってたの。それがタクちゃんと一緒なら心強いし、私も安心できるわ」


「はい。じゃ、責任持ってお預かりします」


「ふふっ。よろしくね」


ええ??


“責任持ってお預かりします”──????


あのタクが、そんなこと言うなんて。。。


ありえない言葉に目をパチクリしていると。


「茜。ハナシあるから」


そう言って親指で外を指差すタクに連れられて。


私は台所から、自分の部屋のある離れに向かった。
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