可愛いおねだりの仕方
なんで会いたいって、そう一言いえないのかな。
つまらない意地をはって、損をするのは私なのに。
二次元じゃあるまい、ツンデレキャラなんてウケるわけがない。サムいだけだ。
可愛くなれたらいいのに。
何度目かわからないそれを胸の中で繰り返し、はぁと小さく息をついた。
「可愛くなりたいなぁ…」
一向に先の見えぬ考えに囚われていると、不意に肩を叩かれる感触がした。
ピクリと肩を震わせつつ、背後を振り返る