可愛いおねだりの仕方



と。


プニッと音がしそうな勢いで、長い指がわたしの頬にくいこんだ。

思わずピクピクと頬が引きつるが、あいにくと片側は指で押えられているため、何とも言えない微妙な顔しかできない。



「ぷっ、先輩引っかかってやーんの。だっせぇー」



そう言って眼前で年甲斐もなく大口を開けてケラケラと笑う男を、私は精一杯睨めつけた。

小中高と同じ学校だったこの後輩は、私に対して遠慮がない。


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