BrandNewDay
 ……?

 僕は教室内を見渡して、ふと気づく。千鶴がまた、自分の席に現れていた。それは机に置かれた花瓶の花を、寂しそうな表情で見つめていた。

 「千鶴?」

 千鶴は僕を見て、笑みを浮かべる。ふわりと微笑む千鶴は、口を開く。

 「身体、ちょっと借りる」

 千鶴は僕に寄って来るなりそう言った。

 「ちょっ…何言ってんだよ!そう言って僕を殺すんだろ?」

 「殺す…か。いや、しばらくこの身体借りる。命とられるよりマシだろ?」

 身体を借りる?どうやって?
 
 「何だよ!死ねばいいんだなんて言った後は身体借りる?何が目的なんだよ!千鶴!!」

 「蓮、俺は……」

 悲しそうな顔をしながら、千鶴は僕に透けて入っていく…。

 …どうしてっ!どうしてそんな悲しそうな顔すんだよっ…!

 「意味わかんないよ…!っ」

 僕はだんだんと意識をなくしてしまった。
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