BrandNewDay
 二人ともびっくりして、ぴたりと止んだ。

 「ま、まぁまぁ落ち着いて蓮…」
 「わ、悪かったって…冗談だって…」

 落ち着いてって、ホモって言った言葉に嘘はないのかよ。冗談にも聞こえなかったよ、ねぇ。

 僕はため息をついて、机に突っ伏した。芥と蛍のやり取りに疲れたとかじゃなく、ただ千鶴のことを考えた。

 幼稚園の頃から一緒で、体が弱くて女の子みたいだった僕は、幼稚園から女みたいとかでからかわれたり男の子からいじめられてた。けど、いつも千鶴が守ってくれた。蓮をいじめるな、いじめたら俺がお前たちをやっつけるかんな!!とか言ってたけ。『蓮は俺が守る』ずっと言われてたなぁ。

 思い出すと守られてばっかだったな…、僕。今、僕に出来ることは千鶴をなんとかしないと。守られてた分、今度は僕が死んだ千鶴を成仏させなきゃ。芥と蛍には見えてなさそうだし、というか僕にしか見えないのかも知れない。僕がなんとかしなきゃ駄目なんだ。千鶴は、僕に何かあって現れたのだから――。



 僕は昼休み、芥と蛍と一緒に学食でご飯を食べるが僕はすぐに食べ終わると、椅子から立ち上がった。

 「どしたの?急に立って…」

 「あ、告白か!?」

 二人は親子丼を食べながら、見上げてきた。

 「違うよ!ばか蛍、ちょっと用事あるから僕行くね」

 学ランのチャックを上げて僕は食堂を抜けた。

 「いや、告白されてばかりだから思ったこと言っただけじゃんか!!」

 「ま、それは置いて、蓮どうしたんだろ…用事…?」




 僕は学校中を探し回った。だが体力のない僕は広い学校の捜索は疲れ果て、自分の席に座って再び突っ伏した。

 図書室、音楽室、屋上、などいろいろ探したけど千鶴は見つからなかった。

 「放課後に見つかればいいんだけど……」
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