BrandNewDay
 「(仕方ないな…)」

 俺はしぶしぶ、すぅっと透けて蓮から出ると、透けてた俺の体が戻った。機嫌が悪い蓮を怒らせたらうるさいから…。

 「なんで僕の命を狙ったの?」

 蓮は冷たい目で俺に問う。

 「…もう命はとらないって。けど、蓮の中にしばらく居させてくれないかな?」

 「へ?」

 蓮はきょとんとした顔で俺を見る。

 「千鶴、成仏しないワケ?」

 「俺は、まだ成仏できないんだ。だから、俺はおまえの中にいるからさ、通常にお前は表で話せる。しかも俺とテレパシーで俺と会話できる。すげーだろっ!」

 「え?でもお前、僕のこと怨んでんじゃ……(すごいっちゃあすごいけど…)」

 蓮は俺が蓮を怨んでる、そう思っているらしい。怨むはずがない。

 「さぁね、ま、俺はおまえの中にいるから」

俺は、蓮の中にすぅっと入った。でも、蓮は今度は意識を失わず、俺は蓮の中にいることにした。そうやらないといけないこと、最後にやっておきたいことをしないと俺は、どうも死にたくても死ねないから。
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