BrandNewDay
 …5限目。数学の授業。小テストがあるらしい。が、俺、満点とらなきゃ蓮に恥かかせてしまう。蓮はいつも満点だからなぁ。回ってきたテストを見る。

 「はぁー…」

 (おいっ千鶴っ!!)

 俺の中…って言っても蓮の体なんだけど…にいる蓮が目を覚ましたらしい。

 「(ん?あ、目ぇ、覚めたんだ?)」

 (一体どういうつもりなんだよ!!)

 やっぱり俺は魂だから、こうして特定の人の中に入ってテレパシーで会話が出来る。魂になるって意外と便利だ。って、感心してる場合じゃないよな。

 「(それよりも小テスト。俺、これ分かんない)」

 (はぁ?僕、ずっと表に出れないわけ?あ、それ、問一はxに2を代入させる)

 なんか怒ってるようでも、小テストを教えてくれた。

 (本当、意味分かんない。人の身体使ってさぁ…)

 俺は小テストを隣の人と交換して答え合わせに入る。

 「(あとで話す。お!満点!俺って天才かもー)」

 (それ、僕が教えたから解けたんでしょ…)

 「(つかお前、黙っとけって。頭ん中に響く)」

 (なんだよ、教えもらったのにお礼もないの?)

 「(………どうも)」

 俺はしぶしぶお礼を言うと、またテストの点数を見てニヤニヤしてたのであった。
 放課後、俺は屋上に来ていた。放課後の屋上には誰もいない。俺ひとりだった。

あのドッペルゲンガーズが帰ろうと誘ったが、頭の中から聞こえた蓮の声に、蓮らしく丁重にお断りして現在にいたる…そんな感じ。
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