BrandNewDay
 「友達も友達だし、クラスメートだし、幼なじみだよ。羽音くん、僕、何回か会ったことあるよ。僕、日比野蓮だよ」

 そう言うと、羽音くんは右に首を傾け、左に首を傾ける。そして思い出したかのように、ああとコクり頷いた。

 「!ああ、蓮さんですか。いつも兄たちがお世話になってます…!っ」

 羽音くんは丁寧にお辞儀をしようとしたが、何かを察したのか急に深刻そうな顔になる。

 「は、羽音くん…?」

 僕は羽音くんの深刻せうな顔を見て、少し驚いた。

 「…蓮さん、蓮さんはとりつかれてますね」

 ……え?

 (そうだった!蓮、羽音は霊感が強い上、とりついた霊を浄化する力があるんだ!)

 千鶴は僕の中で叫ぶように言う。
  
 「(え!?羽音くんそんな力持ってたの?)」

 「ボク、霊を成仏させる力があるんです。蓮さん霊にとりつかれてます!悪霊でしたら害が及んだら大変です!!」

 羽音くんは、真面目な顔して僕に言う。

 「い、いやっ羽音くん、これはっ」

 僕は千鶴を今成仏したらいけないんじゃないかと思って、羽音くんに言おうとする。が、急に僕の中の千鶴が、

 (蓮、交代するぞ)

 …え?

 千鶴に言われた瞬間僕は意識が朦朧としたかと思うと千鶴が僕の身体になったらしく、僕は自分の身体の中で魂となったみたいだ。本当に凄いな、コレ。って感心してる場合じゃないんだけど…。
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