BrandNewDay
      ★

 「何で僕の中から出てくんの!ばか千鶴っ!」

 「だって、俺死んで以来風呂入ってないもん。いいじゃん、ちっとぐらい」

 千鶴は風呂場まで僕の後をついてきた。しかも、僕の身体から出て、部屋でも千鶴は自分の姿でさっきからこんな感じ。

長い黒髪に濃い青の瞳、身長も高いし、それ以前に「こいつは死んだ人間なのか!?」って感じ。もう、子どもらしさも全てが千鶴で…。えーと…簡単に言えば「うざい」かな。

 「風呂よりも前から出てたじゃんか!」

 「だからー、蓮の身体の中で魂のままでいても暇だし!退屈だし!」

 と、僕が閉めようとしたドアにしがみついてくる。ある意味怖い。

 「この変態千鶴っ!」

 まだ、脱いでないからいいが、こいつはどうやら僕と一緒に入るみたいで…。

 「別にいいじゃんか!男同士なんだしっ!俺、変態じゃねーよ!」

 「ていうか、お前既に霊なんだから風呂入っても意味ないって!」

 こいつ…まだ懲りないのかいっ!

 「でも蓮にしか姿は見えないみたいだけど、あ、羽音も見えるか。いやいや、それはいいとして!俺透けたりしてねーから入れるのっ!俺も!俺も!風呂入るのー!」

 確かに透けてはいない。ただ僕の身体に出入りするときの瞬間だけ透けるんだけど。こんなふうに外見からは、全くイメージの出来ない子どもっぷりにはもう十数年一緒だった僕はもう慣れてしまった。だから、僕は。
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