BrandNewDay
 「駄目なものは駄目なのっ!そんなに入りたかったら、僕の後に入れ!僕が呼ぶまで僕の部屋で待機っ!わかった!?」

 「えー…」
 
 千鶴は肩を落として、とぼとぼと僕の部屋に向かった。向かうまで、こちらをチラリ、チラリ、と見ていたのは無視しよう。

 僕は、湯船に浸かって考えてた。千鶴は明後日、いなくなる。と、もう本当は明日にはいなくなるんだけど…。

 あいつのやりたいことってなんだろう?

 でも、まぁうざったいけど、今のままでいいから、ずっとぎゃあぎゃあしたりしたいし、いなくなってほしくないとか色々湯船でブクブクしながら考えていた。

 ……うわぁ、あいつ絶対スネてるよ…。風呂から上がった僕は、髪を拭きながら自分の部屋へと向かう。

 「えーと…千鶴…さん?」

 そいつは予想通り、僕の部屋の奥の隅でいじけていた。

 「…風呂、いいよ?」

 「入らない…」

 「さっき入るって言ってたじゃんか」

 「もういい…」

 部屋の片隅で長い足を折り曲げて、体育座りをしてこっちを振り向こうともしない。僕はどうしようか迷って、口ごもる。

 「蓮、ご飯は?」

 千鶴からの言葉に僕はほっとする。

 「ああ、お母さん仕事遅くなるから兄さんが作ってくれるって」

 僕には三つ上の兄さんがいる。ちょっとここからじゃ遠い大学で医師を目指して頑張っている。そろそろ帰ってくるはずだ。で、兄さんを尊敬する千鶴は目を輝かせた。
< 22 / 45 >

この作品をシェア

pagetop