BrandNewDay
 …千鶴の唇は冷たいのに、僕の体は熱くなって。千鶴は僕を抱きしめ、僕も千鶴を抱き返す。

 「千鶴…僕…」

 「蓮…ゴメンな。でも、蓮が抱きしめてくれるとは思わなかったなぁ…ははっ…」

 どうしよう…。僕、今千鶴と…。胸が高鳴る。千鶴は大きな手で頭を撫でて謝ってきた。

 「…ばか千鶴…びっくりしたよ」

 「悪いって…。でもこれ以上触れてたら俺我慢出来なくなるから蓮の中入るよ」

 ふわり微笑んだ千鶴。

 …どきん

 胸の鼓動が速い。そして胸が苦しい。

 この気持ちは何?

 「やだっ!千鶴、戻らないでっ…!」

 僕は考えもしないことを言葉にしてた。そして千鶴をめいっぱいに抱きしめる。

 「っ!?れ、蓮…?」

 「…やだよ、戻らないで…僕っ、そのままの姿の千鶴と居たいよ…」

 …何言ってんだろ…僕。千鶴だって固まっちゃったじゃないか…。

 「ばか、さっき言ったことと矛盾してるっての…」

 「やっぱり今は戻って欲しくない…」

 ギュッと大きな背中に力を込める。

 「蓮…」

 まるでワタアメのように甘くて、柔らかいキス。冷たい唇を僕の熱い唇で塞ぐ。そして千鶴は深く深くキスをして舌を絡めてくる。

 「んっ…ふぁ…」

 「ヤバすぎだっつの、その声…蓮、反則…」

 耳元で囁かれて、僕はぴくっと反応した。
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