BrandNewDay
 唇と唇がまた重なるんじゃないかってくらいの近くで千鶴の微笑みが僕の目に映る。僕は顔を真っ赤にして、

 「いっ、いきなりチューすんなぁっ!!バカぁっ!」

  バチーーンッ!!

 右手で千鶴の頬にビンタする。

 「ぐへっ…夜は蓮からもキ…」

 ドゴッ…!!

 「ごふぅっ…!」

 ……ゴメンよ、千鶴。照れ隠しなんだ。許せ、本当は僕だってキ、キスとか嬉しいけどさ!!でも、なんでかわからないけど照れ隠しに手足が出るんだ…。あはは、ゴメンよ。(棒読み)

 「ゴメン、ちょっとやりすぎた…おはよ、千鶴」

 完全撃沈してる半裸男に微笑みかけながら言うと、その半裸男は僕を見、ぱあっと明るくなった。

 「そう!俺はその笑顔が見たかった!天使の笑みが!あ、俺天国来たのかっ?」

 すぐに来た。調子のり男め。

 「…あのさ、僕学校だからそろそろ服着て中に入ってくんない?」

 僕はさらりと流すと千鶴に服を渡す。

 「あー…流したー。…なぁ、俺このまま外に出てちゃダメ?」

 「は?学校に着いてくるの?ダメだよ、約束でしょ。蓮の中にいさせてくれって言ったの千鶴だろ?」

 そう言えば入ってくれるかと思ったんだけど……。

 「だけど!俺っ、今日成仏しないといけない!学校にはついて行かない。でも今日しないと意味がないっ!だから、だからさ今日は別行動ってことで!お願いだっ!!一生に一度の…って俺もう生涯終えてるんだった…」
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