BrandNewDay
 僕は締め付けられる首にあてられた手を掴む。

 「お前も…お前も死ねばいいんだ…」

 確かに千鶴の声だった。僕を睨みつける濃い青の瞳は、千鶴のようで千鶴ではない、そんな気がした。

 「な…に…言って…うっ」

 僕は苦しくて息が止まりそうだった。もう、このまま死んでしまうんじゃないかってくらい力強く握られる。

 …痛い、イタイ、苦しい。こんなのヤだよ…。ち…づる…。

 「っ!…………」

 ぴくり反応した千鶴は手を離したら、すぐに去って行った。

 「げほっ…げほっ…待てっ!千鶴っ!!!」

 一体どういうこと…!?

 朝の寝起きは最悪だった。起き上がり、座ったまま、僕は昨日の事を思い出す。

 『お前も死ねばいいんだ…』

 …手、冷たかった…。でも、あれは…完全に僕の首に手をあてられていた。

 普通、霊だとしたら透けて僕の体なんて触れないのだと思ってた。けど、触れてた。いや、手は完全に冷たかった。

 …でもどうして千鶴は僕を…。

 僕は日曜日の事を思い出す。

 あの日は町まで二人で出かけたんだ。

 「あー…楽しかったね!ゲームセンター!!」

 まぁ、ゲームセンターとかはいつでも来れるけど、日曜日とのことで朝から夕方まで遊べる。僕らはカラオケに行った後、ゲームセンターでかなり遊んだ帰りだった。

 「ああ、あ!あれ!!見て!蓮!!」

 実はクールに見えて、子供っぽい千鶴。千鶴は指をさして、僕の袖をくいっと引っ張る。これが素の千鶴なのだ。学校とかでは、なかなか見れない光景だが僕はもうこれが当たり前だと思っていた。

 「何?どしたの?」
< 6 / 45 >

この作品をシェア

pagetop