Dear...
「え?」

「君くらいの年の子とメールなんてしないから、どう返していいか分からなかった。」


それだけ?と、私が落ち込みかけた時、前を見ていた先生が私の方を見た。

その視線はすぐに前に向いたけれど、私は彼の横顔を見つめた。


「それに、悩んでたんだ。君が僕を“先生”として見ているだけなら、変な事を言ったら、気持ち悪いと思われるんじゃないか、って。」


どういう事かはっきり言うのを避けているのか、照れているのか、声がたまに消え入りそうな程小さくなる。
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