Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】


俺が知ってるのは唯一つ。




「唯ちゃんが好きなTakaは、
 本当は兄貴で、ずっと目覚めないまま
 眠り続けるあの状態だってことを
 知ったんだよ」





そう。
真実を知った。




その真実が、
唯ちゃんにとって

どれほどに、
苦痛になるものだと知りながら。 





「彼女は隆雪くんが
 好きだったんだよね。
 
 恋人の彼女にすら、
 隆雪くんの現状は伏せられていたの?」



信じられないっと言うように
トーンを変えて悠久先生は呟いた。



「彼女が兄貴の恋人かどうかも
 正直、わからない。

 彼女は兄貴のファンで
 兄貴の部屋に、彼女の写真があった。

 だから彼女なのかなって。

 先生の方が、兄貴から聞いてないの?
 さっき、先生兄貴に彼女居たの知ってそうな
 口ぶりだった」

「僕も名前までは知らない。

 だけど……そうやって託実くんと
 話していたのを聞いてたから」

「そっか……。

 それより唯ちゃんは?」



唯ちゃんの今が知りたい。
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