Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】


「そう。

 ツアー前に託実さんから
 電話かかってきた時、学校でさ。

 唯ちゃんにばれたんだよ。

 それで話しちゃったんです。
 今のTakaが俺だってこと。

 本物のTakaは兄貴で、
 ずっと眠り続けてること」


「そう。

だから今回のLIVE、
 彼女の姿が見えなかったんだね。

 後は雪貴も調子悪かった」

「すいません。

 俺の問題、
 Ansyalに持ち込んで」


思わず反射的に切り返すと、
託実さんのデコピンが
落ちてくる。


「イテっ」



豪快な音を響かせた
その痛みに耐えるように
おでこを抑え続ける
俺を見ながら託実さんは
兄貴のような眼差しで
俺を見つめる。

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