Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
ネームプレートには、
緋崎唯香。
唯ちゃんのフルネームが
かけられている。
「裕さん、
失礼します」
悠久医師が、
ドアを開いて、
中の住人に声をかける。
病室内にいる人もまた
医師なのだと、
名札とその白衣で理解できた。
「彼女の主治医の、
伊舎堂裕です」
悠久先生に紹介された
その人は、
俺たちに軽く会釈した。
唯ちゃんは病室から
外をただ眺めていた。
「唯ちゃん」
拒絶されるかも
知れない恐怖と引き換えに
その名前を紡ぐ。
「あれ?
宮向井くん、
どうかしたの?」
えっ?