Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
俺の中に
違和感が広がる。
俺を見て
微笑みかける唯ちゃん。
黙ったまま、
二人の医師たちを
俺は見つめる。
「彼女、
今は一部の記憶がないんだよ。
友達に連れられて、
病院に来た日、
彼女病院から抜け出そうとしてね。
僕たちが声をかけたら
逃げ出してしまって
階段から足を踏み外して
転げ落ちた」
二人の医師が
紡いだ言葉は
深く俺に突き刺さっていく。
「幸い軽い捻挫と脳震盪で、
状態は落ち着いている
みたいなんだけどね。
記憶が抜け落ちてるみたいで。
雪貴くんの名前は
紡ぐんだよ。
宮向井くんって。
コンクール……あるのかな?」
唯ちゃん……。