Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
俺はたまらなくなって
唯ちゃんを抱きしめたくなり
そっと唯ちゃんに
近寄って手を伸ばす。
唯ちゃんは相変わらず、
教師のままの素振りで、
にっこりと笑いなおして
「ごめんね。
先生、入院しちゃってて。
コンクールの練習、
大丈夫?」って。
あんなに唯ちゃんを追い詰めた俺に
こうやって笑いかけてくれる
唯ちゃんに言葉がすぐに出なかった。
零れ落ちそうな涙を必死に耐えて
ようやく発せることが出来た言葉。
「大丈夫だよ。
唯ちゃん、
俺を誰だと思ってんだよ」
いつもの俺の調子で
ふざけたように言葉を返す。
「そうだね。
宮向井くんだもんね。
先生も、退院したら
レッスン付き合うからね」
「うん、その時は
びっちり見て貰うから。
とりあえず、唯ちゃんは
今はゆっくり休んでよ。
また病室、顔出すから」