Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
大学病院を後にした俺は、
電車に乗り、
自宅のマンションへと急ぐ。
唯ちゃんの記憶に
俺は居るけど、
今度はTakaが存在しない。
唯ちゃんにとって、
兄貴の事実を受け止めるには
あまりにも心の負担が大きすぎて
その全てを忘れ去るくらいに。
だったら、
忘れてろよ。
唯ちゃんには、
俺が居るんだから。
兄貴に遠慮せずに
唯ちゃんを奪っちまえよ。
俺の中の心の悪魔は
優しい声音で甘く囁き続ける。
唯ちゃんを
思えば思うほどに
愛しさよりも切なさが強くなる。
唯ちゃんを
知れば知るほどに
切なさよりも遠くへ
攫ってしまいたくなる。