Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「隆雪君が、
初めて僕のところに
来たのは託実君を通して
裕に連絡があった後。
相談された後、僕が受け持つ形になって
関わりを持つようになった。
隆雪君が抱えていた症状は、
朝起きた時に
強い頭痛を感じるようになったとか。
突発的に吐くことが多くなった。
吐いてしまうとすっきりするようになった。
そんな異常が自分の体に
感じられるようになった頃。
検査の結果、彼の症状が、
脳腫瘍によるものだとわかりました。
両親に話して、
全てを隠すのではなく
事実を告げて欲しいと
望む彼の意に沿う形で
僕は、そのことを告知しました。
その後、彼は何も言わずに、
病院から姿を消しました。
数日後、彼が再び
僕の元を訪れた時には、
何故か隆雪君の表情は
すっきりしていて。
僕にこう言ったんですよ。
『Ansyalの
メジャーデビューが決まった。
12月の記念LIVEまでは、
俺がやりたいことを
させて欲しい。
その後は、
手術を受けるから。
どんなに、
可能性が少なくても
先生だけは諦めないでほしいって。
俺には、
俺を生まれ変わらせてくれた
大切な人がいるから。
その人に、黙ってデモテープ置いてきた。
何時か探して欲しいって。
だから、悲しませたくないんだ。
後は雪貴も。
今、俺が居なくなるわけには
いかないからろ』
隆雪君は抗がん剤治療を
重ねながら
Ansyalの活動も
ずっと頑張ってたんですよ。
あの事故の日まで」