輝く光の中で
その後、お茶を頂きながら、ローズマリーが

「クリスは、お兄様の事が好きなのね!」

「へぇっ・・・・・・・・」顔が真っ赤になるのがわかった。

「見てればわかるわよ。まぁークリスならいいわよ。頑張ってね!」

「う・う・うん・・・・・」

もう、恥ずかしくて仕方なかった。

それから、度々ローズマリーの屋敷にお邪魔したが、毎回
会えるわけではなかったが、たまに会えると、一緒にお茶を
飲んだりするようになっていった。

アルフレッド様は、とても日本に興味があって、今、日本語を
勉強中だと教えてくれた。

そんな話を聞き、私も日本について、いろんな話をし、
そんな私の話を、愛おしそうに聞いてくれていたので
私は、自分が好かれているのでは、勘違いし始めていた。

その日は、12月も残りわずかになり、ローズマリーが年末に
屋敷を引っ越すと聞き、『最後のお茶会をしましょ』と、誘って
くれたので、またアルフレッド様にお会い出来ることを期待して
屋敷を訪ねた。

二人で、サロンに向かう途中、アルフレッド様の秘書さんたちが
執務室から、神妙なお向きで出てきた。

ローズマリーは、顔を歪ませて、「お兄様は?」と、秘書の方に
訪ねていた・・・。

「「「・・・・・」」」三人は、首を振るだけで、とても居たたまれない
様子だった。

その時執務室の中から

「クソッ、万梨阿、どこに居るんだ、万梨阿・・・・・」

と、悲痛な声で叫ぶ、アルフレッド様の声が聞こえた。
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