輝く光の中で
「赤ちゃんは、元気な男の子よ」と、看護師さんが教えてくれた。

昨日、入院した時は、雨が降っていて、薄暗い日だったが
今日は、朝から晴天で、赤ちゃんが生まれた瞬間、分娩室に
光が差し込んで来た。

その時、赤ちゃんの名前を『輝(ひかる)』と、名づけようと思った。

赤ちゃんは、2200しかなく、しかもへその緒が、かなりきつく巻きついて
いたらしく、生まれた赤ちゃんの首には、跡がついていたらしい。

医師の話では、そのために赤ちゃんが大きくならなかったらしい、
と、言われた・・・。

とりあえず、無事に生まれてきた事に感謝したい。

処置が終わり、病室に戻ると、母と莉那が待っていた。

「おめでとう、良かったね」と、莉那が言い

「おめでとう、小さいけど、元気な男の子だったよ」
と、母が言ってくれた。

でも莉那が「赤ちゃん、お父さん似ね・・・・。」と言ったので
私が、不思議に思っていると、母が

「瞳の色は解らないけど、髪は、金髪よ!」と、教えてくれた。

『アルに似たんだ・・・』心の中で思った。

医師からの許可が出たので、赤ちゃんに会いに、小児科病棟に
行き、保育器の中のわが子に、初対面した。

「・・・・アルにそっくり・・・・」そう呟いた・・・・。
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