輝く光の中で
「時間見て、また診に来るけど、その前に点滴が終わりそうだったら
 ナースコールしてね! 」と、フェリックスは、病室を出て行った。

俺は、ベットの横に座ってる、万梨阿の横に座った。

「万梨阿、あの時は、すまなかった・・・・」

「・・・・・・アル。」

「国に戻されて、目が覚めた時、すぐに君の元に行こうとしたら
 セドリックに、万梨阿は、イギリスにはもういない!と、言われて
 気が変になりそうだった。その後、いろいろあって、父たちも
 一緒に君を、捜してくれたんだが、王室の力を持っても、捜しだせなかった。
 その後、再び会えると信じて、僕は、仕事に身を挺したんだ。
 君たち兄妹の事だ、絶対に企業人として名を馳せるだろうから
 その時、僕も君に相応しい男になろうと、誓ったんだ・・・」

「アル・・・ありがとう。あの時、逃げたのは、私よ。私の形跡
 を残さないように智に頼んだの。アルが上流社会の人間で、私とは
 また違う世界の人だと分かっていたから・・・。アルから
 『さようなら』を、言われたくなくて、私は、逃げたの・・・。
 でも、絶望の中にいた時、輝を授かったの。家族みんなに反対
 されたけど、莉那だけが、賛成してくれて、莉那が家族を説得
 してくれたの・・・。生まれてしまえば、輝は、九条の宝に
 なっていたけどね・・・・。あの子がいることで、周りの家族は
 笑顔が増えたの。アル、私に、輝を授けてくれてありがとう」

「万梨阿・・・・。」

その時、ドアをノックする音がした。

コンコン♪

「はい、どうぞ」兄の智と恋人の莉那が荷物を持って、入って来た。

「万梨阿、輝の容態は、どう?」

「うん、今は落ち着いてる。ありがとう。心配させたわね」

「ううん、良いのよ。子供は、仕方ないわよ。でも正直
 焦ったわ!輝は、今まで、あんまり熱を出すこともなかったしね」

と、莉那が言うと、智が

「この国に来たから、具合が悪くなったんだろ!・・・」

「智! まだそんな事言ってんの!いい加減にしなさいな!」
 
 と、莉那に叱られていた。叱られた智は、不貞腐れたような顔を
 していた。
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