輝く光の中で
そんな幸せな時間を、二人で片時も離れずに過ごし
いよいよ、明日は、ロンドンに帰らなくてはならない・・・・。

そして、その夜、アルと二人で、アルの誕生日を祝った。

二人でワインを飲みながら私は
 
「アル、お誕生日、おめでとう」

そう言いながら、私はアルにプレゼントを渡した。

「ありがとう、万梨阿。開けていい?」

「うん、開けて見て。気に入るといいんだけど・・・」

「わぉー、腕時計だ・・・・。」

「私と御揃いなの・・・・」そうなのだ。

プレゼントを何にするか、考えた時、『出来たら一緒の時を
過ごしたかった・・・。』でも、叶わぬ事ならば
せめて、時を刻む時計を、同じものを、持っていて
欲しかった・・・。私の、最後の我儘である。

「万梨阿、この旅行が終わったら、僕は本国に帰らないと
 ならない・・・。」

と、アルは真剣な顔で私を見つめた・・・。

「・・・・・・。解っているわ、アル・・・。」

「でも、万梨阿、僕は、君を愛してる。どうしても君と
 一緒に居たい。だから、1年だけ待っていて欲しい。
 君の留学が終わるまでに、僕は、本国にいる家族や
 周りの人たちを説得して、君を僕の妻に迎えたいんだ。
 万梨阿『結婚して欲しい』愛してる。」

「・・・・・。」予想外の言葉に、何も返せず、嬉しさもあって
ポロポロと涙が零れた・・・。

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